間伐の現場に行ってきました

アンサンブル、竹野です。

紅葉が丁度きれいな時に、間伐材の現場を訪れました。

上伊那森林組合の福澤さんと唐木さんに案内されて向かったのは、標高1800mの・・・天空。

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福澤さんと唐木さん。

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どんどん登っていきます。

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南アルプスの西側、伊那市長谷にある鹿嶺高原を超えて、林道を進み国有林に到着。

今回見学させてもらったのは、カラマツの間伐現場。 長野県では、カラマツとアカマツが多く植えられていて、その次にスギやヒノキが植えられている。

間伐というのは、樹木が成長にするに伴って密接に混みすぎた状態を、一部の木を抜き伐りすることにより樹木間の空間を確保すること。 目的は、その山に植えられている他の木の生長を促すためで、野菜などで言う間引きと同じではあるが、森林自体が健全になる、という効果も大きい。

福澤さんの説明によると、今の森林は人の手があまり入っていなくて、間伐が行き届いていない森林が多いらしい。 というのは、戦時中の頃に木が乱伐された山々に植林を進めたものの、木材自由化の流れ等で木材価格が下落し、日本の木材よりも安価な外材が市場に出回ったことにより、日本の森林資源が使われない状態が続いたから。

昔だったら、木を薪に使ったり葉っぱや小枝を畑のたい肥にしたり人が山に入ることが多かった。 そうであれば、春に木を植えて、夏に下草を刈り、秋~冬に間伐や伐採をするといったサイクルであったのが、現在は木が使われないから、日の射さない暗い森林になってしまった。

間伐が行き届いていないと、

ひょろひょろとした樹木が密接に植えられたまま

枝も張ることができず、

光が大地に届かないという状態になる。
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間伐をすると、樹木間の距離ができ、一本一本の木が枝を張ることができ、光が地面に届くことにより、下草が生える。 理想的なのは、樹木の高さに約20%位、木と木の間があるている状態。 例えば15Mの高さの樹木であれば、となりの樹木は3M向こうにあるくらい。

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列状間伐という方法で間伐された現場。 気持ち良い光が降り注いでいます。

間伐作業はまず、木を切り倒す作業から始まるのだが、倒した木を運ぶのが大変。  切り倒した場所から作業車が通れる道まで運び上げます。
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たまには、谷になっている場所とかあったり。

作業車、重機で持ち上げたりして運んで、枝を払い決められた長さに切っていきます。

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この重機はプロセッサーと言って、枝を払いながら同時に指定の長さに切り落とします。
そうして指定の長さに切りそろえられた木々はトラックが通れる場所までさらに運びます。

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ここでトラックに積み込まれて、里へと運ばれていきます。

これらのカラマツは建材で使われたりもするが、多くは合板として利用されたり、ペレットなどバイオマス関連の燃料となったりという利用のされ方が多い。 豪雪地域の森林では、木の成長段階で雪の重みで元木部分が曲がってしまっている木が多く、そういった木は建材には向かない。 でもバイオマスなどに利用されれば曲がってしまった木でも有効活用できる。

福澤さんの言葉で特に印象に残ったのは、「山の仕事は木を植えてから40年~60年先までその木の経済的な価値が決まらない。 間伐材を使う良さというのは、その途中過程であっても間伐材を有効活用することにより、森林整備のための経済効果がある。 まあ、「間伐材」ということにこだわらなくても、【木を使う】という、そのこと自体が、とても良い事だと思いますよ。」

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鹿嶺高原までの途中で、「新宿の森、伊那」という看板を見つけた。 新宿と伊那市は姉妹都市で、カーボンオフセットという事業を行っているらしい。 新宿の人たちもきれいな森林の空気を求めて是非来てほしいな、と思いました。

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