森林の話(昔~現代)

アンサンブル、竹野です。

東京・銀座の『銀座NAGANO』にて、信州の木を使った製品の紹介イベントがありました。 アンサンブルの「ひのきの畳床」も参加させて頂きました。

イベントでは木製品の紹介と共に、「木について学ぼう」「森林についてもっと知ろう」という事で、イベントプログラムの一つとして、長野県林務部・県産材利用推進室の千代氏より信州の木について説明がありました。 抜粋ではありますが簡単に紹介させて頂きます。

 
(スライドの画像があまり良くなく、スミマセン。)

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長野県が進めている「木の文化の再生」というタイトルでの紹介でした。 「生活の中に木を取り戻そうよ。」
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長野県林務部の千代氏

長野県の森林面積は、都道府県別にみると全国三位。 ちなみに一位と二位はそれぞれ北海道と岩手県。 森林面積ではなくて森林率を世界規模でみると、日本は第二位の森林率を誇るらしい。一位はムーミンの国フィンランド。

北欧というと、勝手なイメージではあるが、森林豊かで木や自然に囲まれたライフスタイルが思い浮かびます。 個人的には、以前フィンランドのヘルシンキ空港に行ったときに木がふんだんに使われているのを見て「素敵だな~」と感じた記憶があります。 日本も四季豊かな森林国っていうイメージだと嬉しいですね。

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同じスライドには、森林破壊が文明の滅亡に影響しているとの説明もありました。 森林は大切にしなければ、ですね。

日本は森林国ではあるのだけれど、現代生活のなかで、木でできたモノをあまり見かけることがない、っていうのが実情。

でも昔は木の文化はしっかりとあって、「日本書紀」には木材の適材適所に関する記述があったり、法隆寺は現在残る世界最古の木造建築であったり。 21世紀の今では木の文化は昔物語になってしまっているとしたら、ちと悲しいです。

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なぜ、木の文化が失われてしまったのか、それを説明するのが次のスライド。

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あくまでも一面的な原因ではあると思うけれど、戦争で木造物は全て焼失してしまい、その結果、都市において「木造はイカン」という世論がでてきて、そういう動きが1970年代に全国的に広まり近年まで続いてきました。 そのような世論・動きの中、木造を作る人も技術を伝える人も教える人もいなくなった、という歴史背景。

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みなさん熱心に聞いています。

「木造はイカン」という動きが1970年代に広まる一方で、それ以前1950~1960年代に戦後復興として山に沢山植えられた木々は1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、と春夏秋冬・年々成長してきました。 でもその木々が木材資源として使える頃には日本には木を使う文化がなくなってしまっていたのです。

こういった歴史背景を表面だけでも、少しだけでもいいから理解した上で、周りの山々を見ると、「山には木という資源がふんだんにある」という事に改めて気付かされます。 また、こういった歴史背景を知らずとも、「木を使う」ってことに魅力はあると思う。 木は気持ちがいいですしね。

木という再生可能な資源が日本の山々にふんだんにある今、木の良さが改めて見直されています。

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木の良さは快適性であったり、中にはインフルエンザに関するデータもあったりと良い事が多い素材です。 また法令等も整備され積極的に木を使っていこうという動きが盛り上がっています。

A10_1そんな動きの中、色んなもので木が使われ始めています。

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これらはごく一例ですが、昔は木でできていたものでプラスチック製になってしまったものって、数限りなくあると思うんです。 それらが再び木製になると、なんだか格好いい製品になりますよね。
このような官民の動きがあり、ここ数年は木材の出荷量も増えてきているとのこと。 身近な資源が使われるのは、良い事ですよね。 しかもその資源が再生可能であるってことは良い事と思います。
 
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アンサンブルでは、ひのきの間伐材を有効活用して「ひのきの畳床」を作っていますが、もっともっと多くの畳床を製造していきたいと思います。
 
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